国民皆保険制度を支える健康保険証。近年、そのデジタル化が進み、**マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」**が登場しました。
でも、マイナ保険証っていつから使えるようになったの?義務化されるって本当?
そんな疑問をお持ちのあなたへ、この記事ではマイナ保険証の利用開始時期と義務化の詳細についてわかりやすく解説します。
マイナ保険証の利用開始時期
マイナ保険証は、2021年10月から利用開始となりました 。
従来の健康保険証と同様に、医療機関の窓口でマイナンバーカードを提示することで、医療サービスを受けることができます。
マイナ保険証の義務化は?
「マイナ保険証が義務化される」という情報は、正確には誤りです。
2024年秋に従来の健康保険証の新規発行は停止されましたが、マイナ保険証の取得は義務ではありません 。
健康保険証として利用できる選択肢は、以下の2つです。
- マイナンバーカード
- 資格確認書
資格確認書は、従来の健康保険証と同様に紙で発行され、有効期限は1年です。市区町村の窓口で申請することで取得できます 。
つまり、マイナンバーカードを取得せずに資格確認書を利用し続けることも可能です。
なお、すでに発行されている従来の健康保険証は、経過措置として2025年12月1日まで使用できます 。
マイナ保険証のメリット
マイナ保険証には、以下のようなメリットがあります。
- 医療機関での受付がスムーズになる:マイナンバーカードを読み取るだけで、保険資格の確認が完了します 。
- 医療情報の共有がスムーズになる:医療機関間で患者の医療情報を安全に共有することができます。例えば、過去の処方箋情報やアレルギー情報などを共有することで、より適切な医療を受けることができます 。
- 薬剤情報の確認が容易になる:過去の処方箋情報や薬のアレルギー情報などを確認することができます。重複投薬や副作用のリスクを減らすことができます 。
- 公的医療保険制度の適正化に貢献できる:医療費の不正請求などを防止することができます 。
- 転職・結婚・引越ししても、新しい健康保険証の発行を待たずに、保険者での手続きが完了次第、マイナンバーカードで医療機関・薬局を利用できる 。
- 高額な医療費が発生する場合でも、マイナンバーカードを保険証として使うことで、利用者様が一時的に自己負担したり、役所で限度額適用認定証の書類申請手続きをする必要がなくなる 。
- マイナポータルから保険医療を受けた記録が参照できるため、領収証を保管・提出する必要がなく、簡単に医療費控除申請の手続きができる 。
マイナ保険証の注意点
マイナ保険証を利用する際には、以下の点に注意が必要です。
- マイナンバーカードの紛失・盗難:マイナンバーカードを紛失したり盗難された場合は、個人情報漏洩のリスクがあります。速やかに市区町村の窓口に届け出て、カードの利用を停止する手続きを行いましょう。
- マイナンバーカードの管理:マイナンバーカードは、重要な個人情報が記録されているため、大切に保管してください。
- 医療機関の対応:一部の医療機関では、まだマイナ保険証に対応していない場合があります 。事前に医療機関に確認することをおすすめします。
- マイナンバーカードの有効期限:有効期限が切れると、利用ができないため 、更新手続きを忘れずに行いましょう。
- マイナンバーカードの再発行:紛失後、再発効までに1~2か月ほどかかる場合があります 。再発行までの期間は今後短縮される予定ですが、すぐに再発行されない可能性があることを考慮しておきましょう。
- システム不具合:システム不具合が発生した際に、利用できない場合があり、医療機関の受付に時間がかかる可能性があります 。例えば、オンライン資格確認システムにアクセスが集中した場合や、システムメンテナンス中の場合などが考えられます。
マイナ保険証の今後の展望
将来的には、スマートフォンをマイナ保険証として利用できるようになる可能性があります 。
政府は、2025年春にiPhoneへのマイナンバーカード機能の搭載を目指しており、その後Androidスマートフォンにも搭載される予定です。
スマートフォンがマイナ保険証になれば、より手軽に持ち運びができ、利便性が向上することが期待されます。
マイナ保険証に関する懸念点
マイナ保険証の導入に伴い、一部では以下のような懸念点が挙げられています。
- 個人情報漏洩のリスク:マイナンバーカードには、氏名、住所、生年月日などの個人情報が記録されているため、紛失や盗難による個人情報漏洩のリスクが懸念されます 。
- システムエラーによるトラブル:オンライン資格確認システムのエラーや不具合により、医療機関で保険証として利用できない可能性があります 。
まとめ
この記事では、マイナ保険証の利用開始時期と義務化の詳細、メリット・デメリット、注意点、今後の展望について解説しました。
マイナ保険証は、医療機関での受付をスムーズにするなど、多くのメリットがあります。しかし、マイナンバーカードの管理やシステムエラーなどの注意点も存在します。
ご自身の状況に合わせて、マイナ保険証の利用を検討し、メリットとデメリットを理解した上で利用するようにしましょう。