アルバイトでも社会保険に加入する?条件や金額を徹底解説

アルバイトでも社会保険に加入する?条件や金額を徹底解説

アルバイトをしていると、社会保険のことってよくわからないですよね?

「社会保険って正社員のものじゃないの?」、「アルバイトでも加入できるの?」、「加入するとどんなメリットがあるの?」など、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、アルバイトでも一定の条件を満たせば社会保険に加入することができます。社会保険に加入することで、将来受け取れる年金額が増えたり、病気やケガをしたときに手厚い保障を受けられたりと、様々なメリットがあります。

この記事では、アルバイトと社会保険の関係、加入条件、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説していきます。

社会保険とは

国民の生活を保障するための制度です。病気、ケガ、出産、失業、老後など、様々なリスクに備えることができます。

主な社会保険には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4種類があります。

アルバイト・パートが社会保険に加入する条件

アルバイトが社会保険に加入するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。  

  • 従業員数51人以上の会社で働いている(2024年10月以降)  
  • 週の所定労働時間が20時間以上  
  • 月額賃金が8.8万円以上  
  • 2か月を超えて雇用される見込みがある  
  • 学生ではない  

「2か月を超えて雇用される見込みがある」とは、雇用契約書に更新の記載がある、同じ職場で同じ雇用契約の従業員が契約期間を超えて雇用された実績があるなどの場合です。  

また、月額賃金には、通勤手当や家族手当、住宅手当などは含まれません。  

近年、パート・アルバイトの社会保険加入要件が緩和されてきています。 以前は従業員数101人以上の企業で働く人が対象でしたが、2024年10月からは51人以上の企業で働く人も対象となりました。  

社会保険の種類と内容

社会保険には、主に健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4種類があります。それぞれ、病気やケガ、老後、失業、仕事中の事故など、異なるリスクに対応しています。

健康保険

病気やケガで病院にかかったとき、医療費の自己負担を3割に抑えてくれます。 また、出産や死亡など、様々な場面で給付金を受け取ることができます。 会社員や公務員など、加入する制度によって給付内容が一部異なる場合があります。 病気やケガで仕事を休まなければならない場合、傷病手当金や出産手当金として、給与の3分の2程度の給付を受け取ることができます。  

厚生年金保険

老後の生活費を保障するための年金制度です。 国民年金に上乗せして支給されるため、将来受け取れる年金額が増えます。 また、加入期間に応じて、障害年金や遺族年金を受け取れる場合があります。  

雇用保険

会社都合や自己都合で退職した場合に、一定期間、失業手当を受け取ることができます。 失業手当は、再就職までの生活費を保障するだけでなく、職業訓練などの費用も負担してもらえます。 例えば、公共職業訓練や求職者支援訓練を受講する場合、受講料や訓練期間中の生活費などが支給されます。  

労災保険

仕事中のケガや病気、通勤途中の事故などに対して、必要な保険給付を受けることができます。 労働者を守るための保険なので、保険料は全額会社が負担します。  

アルバイトが社会保険に加入するメリット・デメリット

メリット

  • 経済的なメリット
    • 保険料が会社と折半になる: 社会保険料は、会社と従業員が半分ずつ負担します。 国民健康保険や国民年金に加入している場合は全額自己負担なので、経済的な負担が軽減されます。  
    • 将来受け取れる年金額が増える: 厚生年金保険に加入することで、老後に受け取れる年金が増えます。  
  • 保障・福利厚生面でのメリット
    • 手厚い保障を受けられる: 病気やケガ、出産、失業など、様々なリスクに備えることができます。  
    • 会社の福利厚生を受けられる: 社会保険に加入することで、会社の福利厚生を受けられる場合があります。正社員と同様の福利厚生を受けられるケースもあり、より働きやすい環境になるでしょう。

デメリット

  • 経済的なデメリット
    • 手取り額が減る: 社会保険料が給料から天引きされるため、手取り額が減ります。  
  • その他
    • 扶養から外れる: 社会保険に加入すると、扶養から外れる場合があります。 扶養から外れると、税金や健康保険料の負担が増える可能性があります。  

会社側のメリット・デメリット

パート・アルバイトを社会保険に加入させるかどうかは、従業員の福利厚生だけでなく、会社の経営にも大きな影響を与えます。  

会社側のメリットとしては、従業員の定着率向上や、企業イメージの向上が挙げられます。社会保険の加入は、従業員にとって魅力的な待遇であり、より長く働きたいと思える環境につながります。また、社会保険に加入している企業は、法令遵守を重視しているという印象を与え、企業イメージの向上に役立ちます。

一方、デメリットとしては、社会保険料の会社負担分の増加や、事務処理の手間が増えることが挙げられます。

社会保険料の計算方法

社会保険料は、標準報酬月額に基づいて計算されます。標準報酬月額とは、毎月の給与を等級に分け、その等級ごとに決められた金額のことです。  

標準報酬月額は、毎年4月〜6月の給与を元に決定され、9月から翌年8月まで適用されます。  

標準報酬月額を決定する際に考慮される「所定内賃金」とは、週給・日給・時給を月額換算したものに、諸手当などを含めた賃金を指します。 例えば、時給制のアルバイトの場合、所定労働時間数に時給を乗じた金額に諸手当を加えて計算します。ただし、通勤手当や家族手当、住宅手当などは含まれません。  

具体的な計算方法は複雑ですが、例えば、年収130万円のアルバイトの場合、健康保険料は約5,489円、厚生年金保険料は約10,065円となり、合計で約15,554円が毎月の社会保険料となります。 この金額は、会社と従業員で折半します。  

社会保険の加入手続き

社会保険の加入対象となる従業員を雇用した際は、企業が速やかに手続きを行う必要があります。  

主な手続きは以下の通りです。  

  • 社会保険の適用事業所になる手続き
  • 従業員を社会保険に加入させる手続き
  • 従業員の家族を扶養にするときの手続き

従業員がすでに国民健康保険に加入している場合は、社会保険への加入手続きと同時に、国民健康保険の脱退手続きを行う必要があります。  

社会保険に関する疑問を解決できるサイト

社会保険に関する疑問は、以下のサイトで解決することができます。

まとめ

アルバイトでも一定の条件を満たせば、社会保険に加入することができます。社会保険に加入する大きなメリットは、会社と保険料を折半できること、将来受け取れる年金額が増えること、そして病気やケガ、失業など、様々なリスクに備えられることです。

近年では、パート・アルバイトの社会保険加入要件が緩和され、より多くの人が社会保険の対象となっています。

社会保険に加入すると、手取り額が減ってしまうというデメリットもありますが、長期的には大きなメリットがあります。

加入を検討する際は、自身の状況、メリット・デメリットをよく理解した上で判断しましょう。

社会保険制度や手続きについて、さらに詳しく知りたい場合は、厚生労働省や社会保険労務士会などのウェブサイトを参考にしたり、専門家に相談することをおすすめします。

コメントを残す