採用証明書の書き方【2026年版】再就職手当申請に必要な全項目を記入例つきで解説

再就職が決まって再就職手当を申請しようとしたとき、「採用証明書って何?どう書くの?」と戸惑う方は少なくありません。採用証明書はハローワークの所定様式を使い、基本的に会社(事業主)が記入する書類です。ただし、どの欄に何を書くか・いつまでに提出するかを正しく把握していないと、申請が遅れたり書類が差し戻されたりするリスクがあります。

この記事では、採用証明書の入手先・書き方・会社への依頼テンプレート・提出期限まで、ハローワーク窓口で確認した内容をもとに一気に解説します。再就職手当を確実に受け取るための手順を、ぜひ参考にしてください。

採用証明書とは?再就職手当の申請に欠かせない書類

採用証明書は、再就職手当(就業促進手当の一種)を申請するために必要な書類です。「この日付でこの会社に採用されました」という事実を、採用先の事業主が証明する役割を持っています。

採用証明書が必要になるケース

採用証明書を提出する場面は主に以下のとおりです。

  • 失業給付(基本手当)の受給中に就職が決まり、再就職手当を申請するとき
  • 就業手当(短期の雇用・アルバイト等)を申請するとき

このうち圧倒的に多いのが再就職手当の申請です。再就職手当は、所定給付日数の3分の1以上の残日数がある状態で安定した職に就いた場合に支給される一時金です。

ハローワーク所定の様式を使う

採用証明書は自由書式ではありません。ハローワーク指定の様式(「採用証明書(雇用保険受給資格者用)」)を使う必要があります。WordやExcelで自作した書類や、会社独自の採用通知書は原則として受け付けられません。

採用証明書の入手方法

ハローワーク窓口でもらう

最も確実な入手方法は、管轄のハローワーク窓口で受け取ることです。「再就職手当を申請したい」と伝えると、採用証明書を含む申請書類一式を案内してもらえます。

ハローワークインターネットサービスからダウンロード

ハローワークインターネットサービスのWebサイトからPDF様式をダウンロードすることも可能です。

手順は次のとおりです。

1. ハローワークインターネットサービスにアクセスする 2. 「各種様式」または「申請書類ダウンロード」を選択 3. 「採用証明書(雇用保険受給資格者用)」をダウンロード 4. A4用紙に印刷し、会社に記入を依頼する

ダウンロード版はPDFのため、印刷後に手書きで記入します。スマートフォンからでもダウンロードできますが、印刷環境が必要な点に注意してください。

採用証明書の書き方――項目別に解説

採用証明書は採用先の事業主(会社)が記入する書類ですが、依頼前に各欄の内容を把握しておくとスムーズに進みます。主な記入欄を順番に解説します。

① 採用年月日

「いつから働き始めるか」ではなく、雇用契約が実際に開始した日(初出勤日)を記入します。内定日や採用通知書の日付ではない点に注意が必要です。

> 記入例: 令和7年(2025年)4月1日から勤務開始の場合 →「令和 7 年 4 月 1 日」

試用期間がある場合は、本採用の日ではなく試用期間の初日が採用年月日になります。試用期間も雇用契約の一部として扱われるためです。

② 事業所の情報(社名・住所・電話番号など)

採用先の会社が以下の情報を記入します。

記入欄 内容
事業主の名称 会社の正式名称(株式会社・有限会社等の法人格を含む)
所在地 勤務する事業所の住所
電話番号 事業所の代表番号または人事部の直通
雇用保険適用事業所番号 ハローワークから付与されている11桁の番号

雇用保険適用事業所番号は見落とされがちな欄です。会社の担当者が「わからない」と言う場合は、「ハローワークへの届出書類や労働保険の書類に記載されているはずです」と伝えると見つけやすくなります。

③ 雇用形態と週所定労働時間

雇用形態(正社員・契約社員・パート・アルバイト等)と週所定労働時間を記入します。

再就職手当を受けるには「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」かつ「週所定労働時間が20時間以上」であることが必要です。週20時間を下回るパートや単発の短期バイトは要件を満たさない可能性があるため、就職形態が不明確な場合はハローワーク窓口で事前確認することをおすすめします。

④ 賃金(金額と支払い形態)

月給・時給・日給などの賃金形態と、その金額を記入します。賃金額は通常、各種控除前の税込み(額面)の金額で記入します。不明な場合は雇用契約書や採用通知書を参照してください。

⑤ 事業主の署名・押印

採用証明書の末尾には、事業主または権限のある担当者が署名し、印鑑を押印します。会社の角印(社印)または代表者印が必要なケースが多いです。

依頼時に「ハローワーク提出用書類のため、社印の押印が必要です」と明示しておくと、担当者が押印権限を確認しやすくなります。

会社(事業主)に採用証明書を依頼する方法

採用証明書は会社が記入する書類のため、求職者が様式を入手したうえで会社の人事担当者に記入・押印を依頼する流れになります。

依頼するタイミング

依頼のベストタイミングは採用が決まった直後~初出勤の前後です。提出期限が「採用日の翌日から起算して1ヶ月以内」と定められているため、就職後はできるだけ早めに動き始めることが重要です。

なお、就職先が決まった時点でハローワークへの就職報告も必要です。報告を怠ると基本手当が過払いになる可能性があるため、採用証明書の手続きと並行して進めてください。

会社への依頼メール・テンプレート

人事担当者に送るメールのテンプレートをそのままお使いください。

件名:採用証明書の記入・押印のお願い

○○株式会社 人事ご担当者様

お世話になっております。このたびは採用のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

さっそくではございますが、ハローワークへの再就職手当申請にあたり、「採用証明書(雇用保険受給資格者用)」へのご記入・押印をお願いしたく、ご連絡いたしました。

ハローワーク所定の様式を添付いたしますので、ご記入・社印の押印のうえ、〇月〇日(〇)までにご返送いただけますと幸いです。

ご多忙のところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

メールに様式PDFを添付しておくと、会社が様式を探す手間が省けてスムーズです。郵送が必要な場合は、返送用の切手を同封した封筒を添えると丁寧です。

会社が対応してくれない場合

採用証明書の記入を会社が拒否するケースはまれですが、「何に使う書類か」を確認する担当者もいます。そのときは「雇用保険の就業促進手当(再就職手当)の申請のためにハローワークから求められている公的書類です」と伝えると理解が得られやすいです。

それでも対応が難しい場合や、会社の倒産・連絡がとれないといった事情がある場合はハローワークに相談してください。状況に応じた対処法を案内してもらえます。

採用証明書の提出先と期限

提出先はハローワーク(居住地管轄)

採用証明書はご自身の住所を管轄するハローワークに提出します。就職先の会社がある地域のハローワークではなく、求職者本人の居住地を管轄する窓口が提出先です。

提出期限:採用日の翌日から1ヶ月以内

再就職手当の申請書(採用証明書を含む)の提出期限は、採用日の翌日から起算して1ヶ月以内です。

採用日(初出勤日) 提出期限の目安
4月1日 5月1日まで
5月15日 6月15日まで
12月10日 翌年1月10日まで(土日祝なら翌開庁日)

この期限を過ぎると再就職手当を受け取れなくなります。採用証明書の取得に時間がかかりそうな場合は、早めにハローワーク窓口へ相談してください。

一緒に提出する書類

再就職手当を申請する際に採用証明書とあわせて用意する書類は以下のとおりです。

書類 入手先
再就職手当支給申請書 ハローワーク窓口
採用証明書(雇用保険受給資格者用) ハローワーク窓口またはダウンロード→採用先で記入・押印
雇用保険受給資格者証 受給手続き時に受け取った証書

窓口で「再就職手当を申請したい」と伝えれば、担当者が書類一式を確認してくれます。

再就職手当の申請全体の流れについては「再就職手当の申請タイミングはいつ?2025年改正後の最短ルートと提出期限を徹底解説」も合わせて参照してください。

採用証明書に関するよくある注意点

アルバイト・パートでも対象になる?

採用証明書の提出自体はアルバイト・パートでも必要です。ただし再就職手当を受けるには「1年を超えて引き続き雇用されることが確実」「週所定労働時間が20時間以上」などの要件があります。

短期のアルバイトや単発の派遣業務は要件を満たさない可能性があります。就職先が決まったらまずハローワークに雇用形態を伝えて、受給要件を満たすか確認するのが確実です。

試用期間中でも提出できる?

試用期間中でも提出できます。試用期間中であっても雇用契約が開始しているとみなされるため、採用年月日欄には試用期間の初日を記入します。なお、試用期間終了後に雇用継続されない可能性がある場合は、事前にハローワークに状況を伝えて相談してください。

様式が古い場合はどうする?

採用証明書の様式は厚生労働省が改定することがあります。手元に古い様式がある場合は、ハローワーク窓口で最新版を入手するか、ハローワークインターネットサービスからダウンロードしてください。旧様式のまま提出しても受理される場合もありますが、差し戻しのリスクを避けるため最新版の使用をおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 採用証明書はコピーでも提出できますか?

A. 原則として、事業主が署名・押印した原本の提出が必要です。コピーでは受け付けてもらえないことが多いため、必ず原本を持参または郵送してください。提出前に自分でコピーを取っておくと、万一の差し戻し時にも安心です。

Q2. 採用証明書の記入内容に不備があったら?

A. ハローワーク窓口で確認してもらった際に不備が見つかった場合、会社に再記入を依頼することになります。依頼時に「ハローワーク所定の様式を使ってください」「社印の押印が必要です」と明記しておくと不備を防げます。

Q3. 採用証明書なしで再就職手当を申請できますか?

A. 採用証明書は必須書類のため、提出なしでは申請できません。会社が記入を拒否するなどやむを得ない事情がある場合は、ハローワーク窓口に相談してください。状況に応じた対応を案内してもらえます。

Q4. 電子申請で提出できますか?

A. 2026年時点では、採用証明書を含む再就職手当の申請はハローワーク窓口への持参または郵送が基本です。

電子申請への対応拡大は今後の制度改正によって変わる可能性があるため、最新情報はハローワーク窓口に確認してください。

Q5. 採用証明書と「内定通知書」は別ものですか?

A. まったくの別物です。内定通知書は会社が発行する採用決定の連絡文書であり、ハローワークへの申請書類としては使えません。再就職手当の申請には、ハローワーク所定の採用証明書が必要です。

Q6. 採用証明書を紛失した場合は?

A. 採用先の会社に再発行を依頼するか、ハローワーク窓口に相談してください。提出期限(採用日の翌日から1ヶ月)以内であれば再発行後に改めて提出できます。期限が迫っている場合は早急にハローワークに連絡してください。

Q7. 再就職手当の給付額はどのくらいになりますか?

A. 再就職手当の額は「基本手当日額 × 所定給付日数の残日数 × 給付率」で計算されます。給付率は、残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合は70%3分の1以上3分の2未満の場合は60%です。

たとえば基本手当日額5,000円・残日数60日・給付率70%の場合、支給額は5,000円×60日×70%=210,000円となります。詳しくは「再就職手当の採用証明書|書き方・もらい方・会社への依頼テンプレ完全ガイド」もあわせて参照してください。

Q8. 採用証明書を会社に依頼したら拒否された。どうすれば?

A. 書類の趣旨(公的な雇用保険の手当申請のための書類であること)を改めて説明してください。それでも対応が得られない場合はハローワーク窓口に相談してください。必要に応じて、ハローワークから採用先の会社に問い合わせてもらえる場合があります。

まとめ

採用証明書について、この記事のポイントを整理します。

  • 採用証明書は再就職手当申請の必須書類で、採用先の事業主(会社)が記入する
  • 様式はハローワーク窓口またはインターネットサービスから入手する(自由書式は不可)
  • 主な記入項目:採用年月日・事業所情報・雇用形態と週労働時間・賃金額・事業主の署名押印
  • 依頼は採用決定後すぐに。メールに様式PDFを添付して依頼すると早い
  • 提出先は居住地管轄のハローワーク、期限は採用日の翌日から1ヶ月以内
  • 就職が決まったら、まずハローワークへの就職報告と採用証明書の取得を同時に進める

再就職手当を確実に受け取るためには、採用が決まった直後に動き始めることが何より大切です。書類の不備や期限切れで受け取れなかったというケースを防ぐためにも、この記事の手順を参考にしながら早めに準備を進めてください。