FX取引で得た利益の確定申告方法と税理士費用の目安

FX取引で得た利益の確定申告方法と税理士費用の目安

この記事では、FX取引で得た利益の確定申告について、わかりやすく解説していきます。確定申告に必要な書類や手続きの流れ、税理士に依頼する場合の費用相場についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

FX取引で利益が出たら確定申告は必要?

FX取引で得た利益は、「先物取引に係る雑所得等」として課税対象となり、所得税と住民税が課税されます。 確定申告が必要となる主なケースは以下の通りです。  

  • FXの利益を含む給与所得、退職所得以外の所得の年間合計額が20万円を超える
  • 年間の給与収入が2,000万円を超える
  • 給与を2ヶ所以上からもらっている
  • 医療費控除や住宅ローン控除の適用を受ける

ただし、給与所得が2,000万円以下で、かつ雑所得が20万円以下の場合は確定申告は不要です。  

上記に当てはまらない場合でも、確定申告を行うことで、FX取引で発生した損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます(損失の繰り越し控除)。 将来的にFX取引で利益を出す可能性があり、損失を繰り越して節税したい場合は、確定申告をしておくことをおすすめします。  

FXの利益にかかる税金の種類と税率

FXで得た利益にかかる税金は、所得税と住民税です。 これらの税金は、他の所得とは別に計算する「申告分離課税」という方法で課税されます。 税率は一律20.315%で、内訳は以下の通りです。  

  • 所得税:15%
  • 住民税:5%
  • 復興特別所得税:所得税額の2.1%

損失の繰り越し控除

FX取引で損失が発生した場合、その損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。 これを損失の繰り越し控除といいます。確定申告を行うことで、この控除を受けることができます。将来FX取引で利益が出た際に、繰り越した損失と相殺することで、税負担を軽減することができます。  

FX取引の経費計上

FX取引に関連する費用は、確定申告の際に経費として計上することができます。 計上できる経費には、以下のようなものがあります。  

  • FX取引に関する書籍やセミナーの費用
  • FX取引に利用するパソコンやスマートフォンの費用(按分が必要な場合があります)
  • インターネット回線使用料(按分が必要な場合があります)
  • 税理士への相談料

これらの経費を計上することで、課税対象となる所得を減らし、税負担を軽減することができます。

確定申告に必要な書類

確定申告に必要な書類は以下の通りです。  

  • 確定申告書B:所得税の確定申告に使用する書類です。  
  • 申告書第三表(分離課税用):FX取引で得た利益など、分離課税の対象となる所得を申告するための書類です。  
  • 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書:先物取引にかかる、事業所得・譲渡所得・雑所得の確定申告時に使用します。FXの確定申告を行う場合には必須です。  
  • FX会社の発行する年間取引報告書:FX会社から送られてくる年間の取引報告書です。取引内容や損益が記載されています。
  • 本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証など、本人確認ができる書類です。  
  • 所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用):損失の繰り越しを行う場合に提出する書類です。 損失が無い場合・繰越控除を受けない場合は用意する必要はありません。  

確定申告の手続きの流れ

確定申告の手続きの流れは以下の通りです。

  1. 必要書類を準備する
  2. 確定申告書を作成する
    • 国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、オンラインで確定申告書を作成できます。  
    • 専用アプリ「カルク」を利用して確定申告書を作成することもできます。  
    • 税務署で確定申告書を入手し、手書きで作成することもできます。
  3. 確定申告書を提出する
    • 税務署に直接提出、郵送、またはオンラインで提出することができます。
    • 提出期限は、毎年2月16日から3月15日までです。

税理士に確定申告を依頼する場合の費用相場

FX取引の確定申告を税理士に依頼する場合、費用は一般的に以下のようになります。  

  • 所得税確定申告のみ:3万円~5万円
  • 所得税・消費税確定申告:5万円~10万円
  • 記帳代行を含む場合:10万円~

ただし、FX取引の内容や税理士事務所によって費用は異なります。 正式に依頼する前に、複数の税理士事務所に見積もりを依頼し、比較検討することをおすすめします。  

税理士を選ぶ際のポイント

税理士を選ぶ際のポイントは以下の点が挙げられます。

  • FX取引に精通しているか  
  • 費用が明確で、予算に合っているか
  • 対応が丁寧で、信頼できるか
  • 事務所の場所や営業時間などが都合に合っているか

FX取引の確定申告に関するよくある質問

Q. 確定申告の期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

A. 確定申告の期限を過ぎると、延滞税や加算税などのペナルティが課される可能性があります。 できるだけ早く税務署に相談しましょう。  

Q. FX取引で損失が出た場合は、確定申告する必要がありますか?

A. 損失が出た場合でも、確定申告を行うことで、損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。 将来的にFX取引で利益を出す可能性がある場合は、確定申告をしておくことをおすすめします。  

Q. 確定申告の際に、FX会社の年間取引報告書は必ず必要ですか?

A. FX会社の年間取引報告書は、確定申告の際に必要となる重要な書類です。 なくさないように大切に保管しておきましょう。  

まとめ

FX取引で利益が出た場合、一定の条件を満たすと確定申告が必要になります。確定申告が必要となるのは、FXの利益を含む給与所得、退職所得以外の所得の年間合計額が20万円を超える場合、年間の給与収入が2,000万円を超える場合、給与を2ヶ所以上からもらっている場合、医療費控除や住宅ローン控除の適用を受ける場合などです。

確定申告を行うには、確定申告書B、申告書第三表(分離課税用)、先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書、FX会社の発行する年間取引報告書、本人確認書類など、必要な書類を準備する必要があります。確定申告書の作成は、国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」や専用アプリ「カルク」を利用する方法、税務署で確定申告書を入手して手書きで作成する方法があります。作成した確定申告書は、税務署に直接提出、郵送、またはオンラインで提出することができます。

FX取引で損失が出た場合でも、確定申告を行うことで損失の繰り越し控除を受けることができます。また、FX取引に関連する費用を経費計上することで、税負担を軽減することも可能です。

確定申告について不安な場合は、税理士に相談することをおすすめします。税理士に依頼する場合は、FX取引に精通しているか、費用が明確で予算に合っているか、対応が丁寧で信頼できるかなど、いくつかのポイントを考慮して選びましょう。

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