在職中でもジョブ・カードは作れる?セルフ・キャリアドックと無料の作成支援を解説

「ジョブ・カードって、失業した人や職業訓練を受ける人のためのものでは?」と思っていませんか。結論からお伝えすると、ジョブ・カードは在職中でも作成できます。むしろ、転職やリスキリング(学び直し)を考え始めた在職中のタイミングこそ、作成のメリットが大きいツールです。

この記事では、在職中にジョブ・カードを作る3つの方法、勤務先で受けられる「セルフ・キャリアドック」の仕組み、そして無料でキャリアコンサルティングを受けられる窓口までをまとめて解説します。読み終える頃には、自分に合った作成ルートと、今日から始められる具体的な手順がわかります。

結論:在職中でもジョブ・カードは作成できます

ジョブ・カードの作成に「離職していること」という条件はありません。学生・在職者・求職者を問わず、誰でも作成できる制度とされています。

そもそもジョブ・カードとは

ジョブ・カードは、厚生労働省が様式を定めている「生涯を通じたキャリア・プランニング」と「職業能力証明」のためのツールです。

主な様式は次の3種類に分かれています。

様式 名称 内容
様式1 キャリア・プランシート 価値観・強み・将来の目標を整理
様式2 職務経歴シート これまでの仕事内容と学びを棚卸し
様式3 職業能力証明シート 資格・訓練成果・実務能力の証明

在職中に作る3つのメリット

1. キャリアの棚卸しができる: 転職するかどうか決めていなくても、職務経歴シートを書く過程で自分の強みが言語化されます 2. 教育訓練給付の準備になる: 専門実践教育訓練給付金を受けるには、受講前のキャリアコンサルティングでジョブ・カードを作成する必要があるとされています 3. 転職活動の応募書類がラクになる: 一度棚卸ししておけば、履歴書・職務経歴書の作成が短時間で済みます

在職中にジョブ・カードを作る3つの方法

在職者がジョブ・カードを作るルートは、大きく3つあります。

方法1: マイジョブ・カード(オンライン)で自分で作る

最も手軽なのは、公式サイト「マイジョブ・カード」でアカウントを登録し、オンラインで作成する方法です。スマホからも入力でき、作成したデータは保存して何度でも更新できるとされています。

自己分析ツールや記入例も用意されているため、「まず自分だけで書いてみたい」という人はここから始めるのがおすすめです。

方法2: キャリアコンサルタントの支援を受けて作る

「一人で書くと手が止まる」という人は、キャリアコンサルタントの支援を受けながら作成する方法があります。専門家との対話を通じて作ると、自分では気づかなかった強みが引き出されやすく、完成度も上がります。在職者が無料で利用できる窓口は後述します。

方法3: 勤務先のセルフ・キャリアドックを活用する

勤務先がセルフ・キャリアドックを導入している場合は、社内の仕組みとしてキャリアコンサルティング面談を受けられます。面談の事前準備としてジョブ・カードを作成するケースが多く、業務時間内に取り組める可能性がある点がメリットです。

セルフ・キャリアドックとは?仕組みと受け方

セルフ・キャリアドックの目的

セルフ・キャリアドックとは、企業が人材育成の方針に基づいて、キャリアコンサルティング面談とキャリア研修を定期的・体系的に従業員へ提供する仕組みです。健康診断の「キャリア版」とイメージすると分かりやすく、節目ごとに自分のキャリアを点検することを狙いとしています。

導入企業で受ける流れ

一般的には次のような流れで進みます。

1. 人事部門などからの案内(対象者・時期の通知) 2. ジョブ・カード等を使った事前の自己棚卸し 3. キャリアコンサルタントとの面談(1回あたり1時間程度が目安とされています) 4. 面談結果をふまえたキャリア・プランの更新

面談内容は原則として本人の同意なく会社側に開示されない運用とされていますが、詳細は自社の規程を確認しておくと安心です。

勤務先に制度がない場合は?

セルフ・キャリアドックを導入していない会社も多くあります。その場合でも、次に紹介する公的な無料窓口を使えば、在職中に同等のキャリアコンサルティングを受けることが可能です。

在職者が無料でキャリアコンサルティングを受けられる窓口

キャリア形成・リスキリング支援センター

厚生労働省の委託事業として、在職者や企業向けに無料のキャリアコンサルティングとジョブ・カード作成支援を行う「キャリア形成・リスキリング支援センター」が各地に設置されています。対面のほかオンライン相談にも対応しているとされ、在職中で平日に動きにくい人でも利用しやすいのが特徴です。

ハローワークの職業相談

意外と知られていませんが、ハローワークは在職中でも利用できます。求職登録をすれば職業相談が可能で、窓口によってはジョブ・カードを使ったキャリア相談にも対応しています。

自分の住所地を管轄する窓口がわからない場合は、ハローワークの管轄の調べ方を先に確認しておくとスムーズです。

教育訓練給付を見据えるならハローワークの訓練前キャリアコンサルティング

専門実践教育訓練給付金の利用を考えている場合は、受講開始前に訓練対応のキャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを提出する流れになるとされています。申請期限があるため、講座を決める前に管轄のハローワークへ確認しておきましょう。

在職中にジョブ・カードを作るときの注意点

会社に知られずに作成できる?

マイジョブ・カードでの自作や、キャリア形成・リスキリング支援センター、ハローワークの利用は、勤務先を通さず個人で完結します。ハローワークの求職登録情報が勤務先に通知されることは通常ないとされていますが、心配な場合は登録時に窓口へ相談してみてください。

一度で完璧に仕上げようとしない

ジョブ・カードは「完成させて終わり」の書類ではなく、キャリアの節目ごとに更新していく前提のツールです。まずは職務経歴シート(様式2)だけ書いてみる、といった小さな一歩で十分です。完成後に転職活動へ進む場合は、ハローワークの面接練習(模擬面接)と組み合わせると、棚卸しした強みを面接で話す練習までつなげられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 在職中にジョブ・カードを作っても違法ではない?

問題ありません。ジョブ・カードは全ての人のキャリア形成を支援する国のツールであり、在職者の利用も想定されています。就業規則で副業などが制限されていても、キャリアの棚卸し自体を禁じる規定は通常ありません。

Q2. 作成にどれくらい時間がかかる?

自分で書く場合、職務経歴の棚卸しを含めて数時間程度が一つの目安です。キャリアコンサルタントの支援を受ける場合は、面談1〜2回とその前後の記入時間を見込んでおくとよいでしょう。

Q3. セルフ・キャリアドックは自分から希望できる?

勤務先が導入している場合、対象者や実施時期は会社の計画によります。人事部門に「キャリアコンサルティング面談を受けたい」と相談してみる価値はあります。導入がない場合は、キャリア形成・リスキリング支援センターの無料相談が代替になります。

Q4. ジョブ・カードは転職の応募書類として使える?

ジョブ・カードそのものを履歴書の代わりに提出するケースは一般的ではありませんが、記載内容は履歴書・職務経歴書にそのまま転用できます。一部の求人や訓練では、ジョブ・カード様式での提出を求められる場合もあるとされています。

Q5. 費用はかかりますか?

マイジョブ・カードでの自作、キャリア形成・リスキリング支援センターの相談、ハローワークの職業相談は、いずれも無料で利用できるとされています。

Q6. 昔作ったジョブ・カードがあるのですが、作り直しは必要?

作り直しではなく「更新」で対応できます。マイジョブ・カードに登録していればオンライン上で追記・修正が可能です。転職や訓練受講などの節目に、直近の職務経験を書き足していく使い方が推奨されています。

まとめ

  • ジョブ・カードは在職中でも作成可能。離職や失業は条件ではありません
  • 作成ルートは「マイジョブ・カードで自作」「キャリアコンサルタントの支援」「勤務先のセルフ・キャリアドック」の3つ
  • セルフ・キャリアドックは企業内でキャリア面談を定期的に受けられる仕組み。導入がない会社でも、キャリア形成・リスキリング支援センターやハローワークで無料の代替手段があります
  • 専門実践教育訓練給付金を狙うなら、受講前のキャリアコンサルティングとジョブ・カード作成が前提になるため、早めの準備が安心です

まずはマイジョブ・カードのサイトを開いて、職務経歴シートの最初の1行を書いてみることから始めてみてください。最新の制度内容は、厚生労働省・マイジョブ・カード公式サイトで必ずご確認ください。