求人申込書の書き方を見本付きで解説|ハローワークで失敗しない記入のコツ

ハローワークに求人を出すときに最初に書く「求人申込書」。項目が多く、どこまで具体的に書けばよいか迷う方が多い書類です。この記事を読むと、項目ごとの書き方のポイント・差し戻されやすいNG例・応募が集まりやすい記入のコツが一通りわかります。初めて求人を出す事業主の方も、書き直しを最小限にして窓口提出までたどり着けるよう、実務目線でまとめました。

結論:求人申込書は「具体性」と「法令適合」の2点で決まる

求人申込書は、ハローワーク職員が求職者にマッチングするための一次情報になります。書き方の良し悪しは「具体性」と「法令適合」の2点でほぼ決まると言って差し支えありません。

  • 仕事内容・賃金・労働時間を数字と具体的な業務名で書く
  • 年齢・性別の制限、固定残業代の表記など法令に沿った表現にする

この2点を押さえれば、差し戻し(書き直し依頼)の大半は防げます。逆に「営業(詳細は面接で)」「給与は経験により応相談」のような曖昧表現は、ほぼ確実に職員から修正を求められます。

求人申込書はどこで手に入る?提出方法は2通り

求人申込書は、紙の様式と「ハローワークインターネットサービス(求人者マイページ)」のオンライン入力の2通りで提出できます。

紙の様式(事業所所在地のハローワークで入手)

事業所所在地を管轄するハローワークの窓口で受け取れます。エクセル・PDF形式の様式は厚生労働省・各労働局の公式サイトからもダウンロード可能です。

紙で提出する場合は、記入後に管轄のハローワーク窓口へ持参します。郵送やFAXでの受付可否は労働局によって運用が異なるため、事前に電話で確認してください。

オンライン(求人者マイページ)

2020年以降、ハローワークインターネットサービスから求人者マイページを開設すれば、オンラインで申込・更新・選考管理まで完結できます。

初回はハローワーク窓口で「事業所登録」を済ませる必要があります。2回目以降の求人申込は、ほぼマイページ内で完了するため、継続的に求人を出す事業所にはオンラインが圧倒的におすすめです。

提出方法 メリット デメリット
紙の様式 窓口で職員に相談しながら書ける 修正のたびに窓口往復が必要
求人者マイページ 24時間入力可能・選考管理も一元化 初回は事業所登録のため来所が必要

求人申込書の主な記入項目と書き方

求人申込書は大きく分けて以下のブロックで構成されます。ブロックごとに「何を書くか」「どこでつまずきやすいか」を整理しました。

1. 事業所情報

事業所名・所在地・代表者名・電話番号・業種・従業員数などを記入します。すでに事業所登録済みであれば、登録情報が自動的に引き継がれます。

書き間違いが多いのが「就業場所」と「事業所所在地」の混同です。本社所在地と実際の勤務地が異なる場合は、必ず別欄に就業場所を記入してください。

2. 仕事の内容

求職者がもっとも重視する項目です。業務内容を箇条書きで3〜5行に分けて具体的に書くのが基本です。

  • ✕ 悪い例:「営業全般。詳細は面接時に説明します」
  • ◯ 良い例:「自社製品(業務用厨房機器)のルート営業。既存取引先30社程度を月1回訪問し、補充注文の受付と新製品のご提案を行います。新規開拓は月2〜3件程度」

「面接で説明」「経験により応相談」といった先送り表現は、求職者の応募意欲を下げるだけでなく、職員からの差し戻し対象にもなりやすい記述です。

3. 賃金(給与)

賃金は基本給・諸手当・固定残業代・賞与を切り分けて記入します。

  • 基本給:月給/日給/時給のいずれかを明示し、金額幅で書く(例:月給22万円〜28万円)
  • 諸手当:通勤手当・住宅手当・職務手当などを項目ごとに金額・支給条件付きで明記
  • 固定残業代:含む場合は「○時間分・○○円相当」と必ず時間数と金額を明示
  • 賞与:支給実績(例:年2回、計2.0ヶ月分)を直近年度の実績で記入

固定残業代の記載漏れは2018年の職業安定法改正以降、特に厳しくチェックされる項目です。「月給25万円(固定残業代含む)」だけの記載では受理されません。

4. 労働時間・休日

始業/終業時刻、休憩時間、所定労働時間、時間外労働の有無、休日(週休二日制の運用、年間休日数)を記入します。

  • 変形労働時間制を採用している場合は、その旨と週平均労働時間を記載
  • 「完全週休二日制」と「週休二日制」は意味が異なるため、自社の実態に合わせて選択
  • 年間休日数は実数で記入(祝日・夏季休暇・年末年始を含むか否かも備考に明記)

5. 加入保険

雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金の加入状況をチェック式で記入します。法定要件を満たすにもかかわらず未加入になっている場合は、求人受理前に加入手続きを求められることがあります。

6. 応募方法・選考プロセス

「ハローワークの紹介状を持参の上、電話連絡」のような流れを具体的に書きます。応募書類(履歴書・職務経歴書の要否)と返却の有無も忘れずに記載してください。

選考プロセスは「書類選考→一次面接→最終面接→内定」のように段階を見せると、求職者が応募の心づもりをしやすくなります。

7. 求める人物像・PR欄

ここはフリーフォーマットで、応募率を大きく左右する欄です。「未経験歓迎」「ブランクOK」「子育て世代活躍中」など具体的な歓迎条件を入れると、求職者の心理的ハードルが下がります。

ただし、後述のとおり年齢・性別を限定する表現は原則NGです。

法令上の注意:書いてはいけない表現

求人申込書には、雇用対策法・男女雇用機会均等法・職業安定法によって禁止されている表現があります。気づかずに書いて差し戻されるケースが多いので、特に以下に注意してください。

年齢制限の原則禁止

雇用対策法により、募集・採用時の年齢制限は原則禁止です。例外的に年齢制限が認められるのは、定年年齢を理由とする場合や、長期勤続によるキャリア形成を図る目的(35歳未満など)といった限定的なケースに限られます。

例外に該当する場合は、求人申込書の「年齢制限該当事由」欄に該当する号番号を記入する必要があります。

性別を限定する表現の禁止

「男性活躍中」「女性歓迎」など、特定の性別を有利・不利に扱う表現は男女雇用機会均等法で禁止されています。

  • ✕ 営業マン募集 → ◯ 営業担当者募集
  • ✕ ウェイトレス → ◯ ホールスタッフ

国籍・思想・信条による差別表現

「日本国籍に限る」「特定の宗教団体に所属しない方」といった表現も原則認められません。職務遂行上どうしても必要な要件(業務上の合理的理由)がある場合のみ、個別に窓口へ相談してください。

差し戻されないための提出前チェックリスト

提出前に以下を確認すると、差し戻しを大幅に減らせます。

  • [ ] 仕事内容は箇条書きで3行以上、具体的な業務名を明記したか
  • [ ] 基本給と諸手当を切り分けて記入したか
  • [ ] 固定残業代を含む場合、時間数と金額を明示したか
  • [ ] 年間休日数を実数で記入したか
  • [ ] 年齢・性別を限定する表現を使っていないか
  • [ ] 就業場所と事業所所在地を分けて記入したか
  • [ ] 応募方法と必要書類を具体的に書いたか
  • [ ] 加入保険のチェック漏れがないか

応募が集まりやすくするための+αの工夫

法令と具体性をクリアしたら、最後は「応募率を上げる工夫」です。求人申込書のフリー記述欄(PR欄)で差がつきます。

数字で見せる

「アットホームな職場」よりも「平均勤続8年・離職率5%・有給取得率75%」のように数字を出すと、信頼性が一気に上がります。

1日の流れを書く

「9:00出社→朝礼→10:00訪問1件目→…」のように1日のタイムスケジュールを記載すると、求職者が働くイメージを掴みやすくなります。

写真・動画の活用(マイページ経由)

求人者マイページから求人を出す場合、職場写真や仕事内容を伝える画像を登録できます。視覚情報があるだけで応募率は大きく変わります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 求人申込書を出してから求人公開までどのくらいかかりますか?

窓口で内容確認後、不備がなければ概ね翌営業日〜数営業日で公開されるのが一般的です。記載に不備がある場合は差し戻され、再提出から再度確認となります。

Q2. 求人の有効期間は?延長や再掲はできますか?

ハローワーク求人の有効期間は、受理日の翌々月末日までが原則です。期間内に充足しなかった場合、マイページや窓口から内容を更新して再申込できます。

Q3. 提出後に内容を訂正したい場合は?

求人者マイページであれば、編集→再申込で訂正可能です(再度ハローワークの内容確認が入ります)。紙で提出した場合は、管轄ハローワークに連絡し、訂正届を提出する流れになります。

Q4. 同じ職種で複数の求人を同時に出せますか?

可能です。ただし、就業場所や雇用形態(正社員/パート)が同じで、賃金や条件もほぼ同じである場合、1件にまとめるよう案内されることがあります。職種・条件・就業場所のいずれかが異なる場合は別求人として申込んでください。

Q5. パート・アルバイトの求人申込書は様式が違いますか?

基本的には同じ求人申込書ですが、「就業形態」欄でパート・アルバイトを選択し、時給・週所定労働日数・週所定労働時間を記入する点が異なります。社会保険の加入要件(週20時間以上等)にも注意が必要です。

Q6. 紹介予定派遣やトライアル雇用の場合の書き方は?

「雇用形態」欄でそれぞれ該当する区分を選択し、紹介予定派遣であれば派遣期間と直接雇用後の労働条件を、トライアル雇用であれば常用雇用移行を前提とする旨を記載します。窓口で専用の様式や追加書類が案内される場合があります。

Q7. 求人票と求人申込書の違いは?

求人申込書は事業主がハローワークに提出する「申込のための書類」、求人票は申込内容に基づいて求職者向けに発行される「公開用の案内」です。求職者の目に触れるのは求人票ですが、その内容は求人申込書の記載内容から作成されます。

まとめ

求人申込書の書き方で押さえるべきポイントを整理します。

  • 仕事内容・賃金・労働時間は具体的な数字と業務名で書く
  • 固定残業代は時間数と金額を必ず明示
  • 年齢・性別を限定する表現は原則NG(例外要件を満たす場合のみ可)
  • 提出前にチェックリストで差し戻し原因を潰す
  • 応募率を上げたければ数字・1日の流れ・写真で職場のリアルを見せる

初回は事業所登録のため窓口へ行く必要がありますが、2回目以降は求人者マイページからオンラインで完結できます。継続的に求人を出す事業所は、早めにマイページを開設しておくと作業効率が大きく変わります。

書き方に迷ったら、まずは管轄ハローワークの求人部門へ電話で相談するのが近道です。職員は日々多数の求人申込書を見ているため、自社の業種にあった書き方のコツを具体的にアドバイスしてくれます。