「ハローワークで職業訓練を申し込もうとしたら『ジョブ・カードを作ってください』と言われた」——そんな方に向けて、ジョブ・カードの中身と書き方をわかりやすく解説します。
ジョブ・カードは、自分の職歴・スキル・キャリアプランを体系的に整理できる厚労省の公式ツールです。ハローワークで無料で作成でき、職業訓練の申し込みや求職活動にそのまま活用できます。
【結論】ジョブ・カードは「自分の棚卸しツール」
ジョブ・カードは以下のような特徴を持つ公的な書式です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営元 | 厚生労働省 |
| 費用 | 無料 |
| 作成場所 | ハローワーク、ジョブカフェ、オンライン |
| 主な用途 | キャリアの棚卸し、職業訓練申し込み、履歴書・職務経歴書の元データ |
| 対象者 | 在職中・求職中問わず、誰でも作成可能 |
一言で言うと、「キャリアの履歴書+自己分析シート」を合体させたものです。
ジョブ・カードの4つの様式
ジョブ・カードは複数の様式で構成されています。
様式1:キャリア・プランシート
自分の職業経験・強み・今後のキャリア希望を整理するシート。就業経験の有無によって様式が異なります。
- 様式1-1:就業経験のある方向け
- 様式1-2:学生・就業経験のない方向け
様式2:職務経歴シート
これまでの勤務先・業務内容・身につけたスキルを時系列で記載するシート。職務経歴書の元データとして活用できます。
様式3:職業能力証明シート
持っている免許・資格・教育訓練の受講歴をまとめるシート。
様式4:職業能力評価シート(企業用)
企業が従業員のスキルを評価する際に使うシート(求職者が自分で書くものではありません)。
ジョブ・カードを作る4つのメリット
メリット1:キャリアの棚卸しができる
過去の職歴や身につけたスキルを体系的に書き出すことで、自分の強み・弱みが可視化されます。「自分には何ができるのか」「次にどんな仕事に就きたいのか」を考える上での土台になります。
メリット2:職業訓練の申し込みに必要
公共職業訓練や求職者支援訓練の多くで、申し込み時にジョブ・カードの提出が求められます。選考面接の際にも、ジョブ・カードを見ながら話が進むことが多いです。
職業訓練を考えている方は、早めに作成しておくと申し込みがスムーズです。
メリット3:履歴書・職務経歴書に流用できる
ジョブ・カードに書いた内容は、そのまま履歴書や職務経歴書の下書きとして使えます。特に職務経歴シート(様式2)は、職務経歴書を作成する際の土台として非常に役立ちます。
メリット4:キャリアコンサルタントの無料面談が受けられる
ジョブ・カードを作成する過程で、キャリアコンサルタントの無料面談を受けられる場合があります。自分一人で考えるより、プロと対話しながら作ることでキャリアの方向性が明確になります。
ジョブ・カードの作成方法3選
方法1:ハローワークで作成する
最寄りのハローワークの窓口で「ジョブ・カードを作りたい」と伝えると、作成方法を案内してもらえます。キャリアコンサルタントの面談と合わせて作成できるため、初めての方におすすめです。
所要時間の目安: 相談込みで1〜2時間程度
方法2:オンラインで作成する
ジョブ・カード制度総合サイトでオンライン作成ツールが提供されています。自宅のパソコンで自分のペースで作成できます。
- 公式サイト: https://jobcard.mhlw.go.jp/
- 作成後はPDFとしてダウンロード・印刷可能
方法3:テンプレートをダウンロードして手書き
厚労省の公式サイトからExcelテンプレートをダウンロードし、自宅で記入する方法もあります。パソコンが苦手な方は印刷して手書きでも作成可能です。
ジョブ・カードの書き方のコツ
コツ1:「強み」は具体的なエピソードとセットで書く
「コミュニケーション能力が高い」だけでは抽象的です。どんな場面で、どう発揮したかをセットで書きましょう。
NG例: 「協調性があります」
OK例: 「前職では5人のチームリーダーとして、毎週のミーティングで意見調整を行い、3ヶ月でプロジェクトを完遂しました。協調性を持って周囲と関係を築くことが強みです」
コツ2:職務経歴は「数字」で語る
具体的な数字を入れると説得力が増します。
- 「売上を向上させた」→「前年比120%の売上を達成した」
- 「新人教育を担当した」→「新入社員3名の指導を1年間担当した」
- 「コストを削減した」→「業務フローの見直しで月10万円のコスト削減に貢献した」
コツ3:今後のキャリアプランは「WILL・CAN・MUST」で整理
キャリア・プランシートを書く際は以下のフレームワークが使えます。
- WILL(やりたいこと): どんな仕事をしたいか
- CAN(できること): 現在持っているスキル・経験
- MUST(やるべきこと): そのために必要な学習・資格
この3つを明確にすることで、説得力のあるキャリアプランが書けます。
コツ4:書けない欄があっても空白のまま提出しない
思い当たらない項目があっても、空白ではなく「該当なし」「未経験」など何か書きましょう。空白だと「面倒だから書かなかった」と取られる可能性があります。
ジョブ・カードと職業訓練の関係
職業訓練の申し込み時に提出するケース
求職者支援訓練の多くは、申し込み時にジョブ・カードの提出が必要です。選考面接でもジョブ・カードの内容について質問されます。
訓練前キャリア・コンサルティング
職業訓練を受ける前に、キャリアコンサルタントとの面談(訓練前キャリア・コンサルティング)が実施されます。このときジョブ・カードを使って「なぜこの訓練を受けたいのか」を整理します。
よくある質問(FAQ)
Q1. ジョブ・カードは履歴書の代わりになりますか?
代わりにはなりません。 応募先企業への提出書類としては、通常の履歴書・職務経歴書が必要です。ジョブ・カードはあくまで自己分析・キャリア整理のツールとして位置づけましょう。
ただし、ジョブ・カードの内容を履歴書・職務経歴書に転記することは可能です。
Q2. 在職中でも作れますか?
作れます。 ジョブ・カードは失業者限定ではありません。在職中の方がキャリアアップや転職を考える際にも活用できます。
Q3. 一度作ったジョブ・カードは更新できますか?
更新可能です。 むしろ、キャリアに変化があるたびに更新することが推奨されています。最新の状態に保つことで、いざ職業訓練や転職活動をする時にすぐ使えます。
Q4. キャリアコンサルタントの面談は有料ですか?
無料です。 ジョブ・カード作成に伴うキャリアコンサルティングは、厚労省の制度として無料で提供されています。
Q5. ジョブ・カードがあると就職に有利になりますか?
直接的に有利になるわけではありませんが、自己分析ができている=面接で自己PRがしやすいという副次的な効果があります。また、職業訓練を修了したことをジョブ・カードに記載することで、スキルの証明にもなります。
Q6. ジョブ・カードを作ったらどこで保管すればいい?
自分で保管します。ハローワークに提出するものではなく、作成した本人が管理します。PDFとパソコン・クラウドに保存し、いつでも更新・印刷できるようにしておくのがおすすめです。
まとめ
- ジョブ・カードは厚労省の無料キャリア棚卸しツール
- 主な様式はキャリア・プランシート/職務経歴シート/職業能力証明シート
- 職業訓練の申し込み時に提出が必要なケースが多い
- 履歴書・職務経歴書の下書きとしても活用できる
- 作成方法はハローワーク・オンライン・テンプレートの3つ
- キャリアコンサルタントの無料面談を活用すると質が上がる
- 書き方のコツは具体的エピソード・数字・WILL/CAN/MUST
次のステップ: 職業訓練や転職を考えている方は、まずハローワーク窓口で「ジョブ・カードを作りたい」と相談してみましょう。オンラインで気軽に始めたい方は、ジョブ・カード制度総合サイトからダウンロードできます。
※ジョブ・カードの様式や運用は随時更新される可能性があります。最新情報はジョブ・カード制度総合サイトまたは最寄りのハローワークでご確認ください。