求人申込書の賃金欄の書き方|固定残業代・諸手当の記入例を解説

ハローワークへの求人申込書を作成するとき、「賃金欄の書き方がわからない」「固定残業代はどこに書けばいいの?」と迷う担当者は少なくありません。

この記事では、求人申込書の賃金欄に記入すべき項目と、ケース別の正しい書き方を実例つきで解説します。記入ミスがあると求人が差し戻されたり、求職者に誤解を与えたりするリスクがあるため、提出前にしっかり確認しておきましょう。

なお、賃金欄以外の記入項目全体については「求人申込書の書き方(エクセル/PDFのテンプレートダウンロードあり)」で詳しく解説しています。

賃金欄の基本項目と記入の流れ

求人申込書の賃金欄は、大きく以下の項目で構成されています。

項目 内容
賃金形態 月給・日給・時間給など支払い方法の区分
基本給(基本賃金) 固定残業代・手当を含まない金額
定額的に支払われる手当 毎月固定で支払う手当(住宅手当・役職手当など)
固定残業代 みなし残業がある場合のみ記入
賃金の範囲 最低額〜最高額(採用時に幅がある場合)

記入の基本的な考え方は、「求職者が実際に受け取る賃金の内訳を正確に伝える」ことです。複雑な手当構成でも、正直に書くことが採用後のトラブルを防ぐ最善策です。

賃金形態の選び方

自社の給与体系に合ったものを選びます。

  • 月給制:毎月一定額を支払う。正社員・フルタイム向けに多い
  • 日給月給制:月給ベースだが欠勤・遅刻分が日割り控除される
  • 日給制:出勤日数に応じて支払う
  • 時間給(時給制):パート・アルバイトに多い

「月給制」と「日給月給制」は混同されやすいポイントです。欠勤した日分が控除される場合は「日給月給制」を選ぶのが適切です。迷った場合はハローワークの事業主相談窓口で確認しながら記入できます。

基本給の記入方法

基本給は、各種手当・固定残業代を除いた純粋な基本賃金を記入します。

たとえば「月給25万円(うち住宅手当2万円、固定残業代3万円含む)」という給与体系であれば、基本給の欄には 200,000円 と記入します。

手当や固定残業代を含めた総額を「基本給」として書いてしまうのが最も多いミスです。後述のチェックリストで必ず確認してください。

固定残業代がある場合の書き方

固定残業代(みなし残業代)がある場合は、金額と対応する残業時間数をセットで明示することが求められています。

記入例:

> 固定残業代:30,000円(時間外労働20時間分相当) > ※固定残業時間を超えた場合は別途支給

記入時の3つのポイントを守ってください。

1. 月額(円)と対応する残業時間数を両方書く 2. 「超過分は別途支給する」旨を明記する 3. 基本給との合計が求人票の「賃金」欄と一致しているか確認する

固定残業代を曖昧にしたまま総額のみを記載すると、求職者の不信感を招くうえ、ハローワークから記入修正を求められる場合があります。

諸手当の記入方法

住宅手当・役職手当など、毎月定額で支払う手当は「定額的に支払われる手当」欄に記入します。

  • 通勤手当:実費支給の場合は金額ではなく「実費支給(上限〇円)」と書く
  • 住宅手当:金額を記入。支給条件がある場合は備考欄に「〇〇の場合に支給」と補足する
  • 役職手当:役職名と金額を記入する

業績連動型やインセンティブなど変動する手当は「その他手当」欄に記入し、算出方法の概要を備考に添えます。

よくある記入ミスと提出前チェックリスト

求人申込書の賃金欄で多いミスと、提出前の確認ポイントをまとめます。

よくある記入ミスの例

  • 固定残業代込みの金額を「基本給」として記入している
  • 住宅手当・通勤手当などの手当が記載漏れになっており、実際の支給額と差異がある
  • 賃金範囲の最低額と最高額が逆に記入されている
  • 試用期間中の賃金が異なるのに記載していない

提出前チェックリスト

  • [ ] 基本給から固定残業代・各手当を差し引いた金額が記入されているか
  • [ ] 固定残業代の「月額」と「対応残業時間数」が両方記入されているか
  • [ ] 超過残業分は別途支給する旨が明記されているか
  • [ ] 地域の最低賃金を下回っていないか
  • [ ] 試用期間中に賃金が下がる場合、その金額と期間を別途記入しているか

まとめ

求人申込書の賃金欄で特に重要なポイントは以下のとおりです。

  • 基本給は手当・固定残業代を除いた金額で記入する
  • 固定残業代は金額と時間数をセットで記入し、超過分は別途支給と明示する
  • 毎月定額で支払う手当はすべて「定額的に支払われる手当」欄に書く
  • 提出前に最低賃金との比較確認を忘れずに行う

記入内容に迷った場合は、ハローワークの事業主相談窓口でその場で確認しながら作成できます。担当者が丁寧に対応してくれるので、不明点は遠慮なく相談してみてください。